201409
狛犬についての夢をいちどだけみたことがある。
顔がごっそりと落ちて穴になっている狛犬の写真を、撮っている夢だ。
なんだそりゃ。
夢というものにとても興味があって、昔からこちゃこちゃ調べたり読んだりしている。
小説では、内田百閒『冥途・旅順入城式』、島尾敏雄『夢の中での日常』などがお気に入り、というよりこの2冊は完全に脊髄まで滲みこんでしまった。
前半は、古代から近世までの人間と夢のかかわり、とくに夢の社会的意味、創造性や狂気との関係について。
最後には、日常での夢の活用法の指南があり、「ああ一時期騒がれたなあ、こういうの」と懐かしくなった。
さてさて、本題の狛犬だ。
あらかじめお詫びしておくと、このとき蚊が「待ってました!」とばかりに襲来し、1秒でも体を静止させようものなら全身が蚊まみれの有様。
こちらも死にもの狂いだったので、写真がけっこうブレているぞ。
ここは、鳥居→狛犬①→狛犬②→階段→ 狛犬③→社殿、という構成。
それではご登場いただこう、狛犬①!
けっこうありがちな見た目。しかし、胸部から前足にかけてのなだらかな曲線には、ほれぼれする。
頑固オヤジみたいな顔と、幼子のようなやわらかい体つきのミスマッチ!
問題はこちらだ。
子犬の顔が180度回転している。エクソシストかい!
別角度からも検証。
エクソシストかい!
この時点で3か所ほど蚊に刺されていた。すぐ後ろにひかえる狛犬②。
狛犬をはさんで片側が鳥居、片側が木々、というのは境界っぽくていい雰囲気だ。
これもよくある昭和の狛犬だが、なんとかして鑑賞ポイントをみつけたい。
(あなたなら、どこを愛でますか!)
鼻がえらいひしゃげとるなあ…とか、くちびるがダイナミックに波うっとるなあ…とか、
いや待て、腕、ちょっと変じゃないか? ここだけ異様に角ばってないか? これ、おもしろいんじゃないか?!
正面から見たらそんなに面白くなかった。普通だった。
ちなみにかれの相方は、タタリ神になりかけていた。
「戻ってきた! あ゛ー、黄泉の国から戦士たちが帰ってきた!」
この時点で腕のみならず首まで蚊に刺されていた。這々の体で、狛犬③へ。
最後の最後に爆弾があった。
おわかりだろうか。重心が右によりすぎている。こいつ、作画崩壊しているぞ!
相方もご同様だ。
重心がかたよっているのか、顔の位置がズレているのか、あえてこうしているのか、もうわけがわからない。
それぞれの爪先にもご注目いただきたい。大きさがバラバラすぎる。
蚊の猛攻も最高潮で、写真もブレブレだ。
まさしくカオスだった。
赤い鳥居のさきにあったお稲荷さんは、きつねを特集する段であらためて!
■三重県 津市 式内小丹神社
Larsen-Feiten Band:Who'll Be The Fool Tonight(1980)
レコードで聴いたらまた格別で、あまりにすばらしいので度胆をぬかれた!