噛む飼い犬より噛まない狛犬

このごろは飼い犬とも仲がいいよ

季のもの -2 

こんにちは。台風、大丈夫ですか。

ぼんやりと窓から雨をみていると、これがどうも、飽きないもんだなあ。

細かい水粒がプランクトンみたいにうようよ漂いはじめたら、合図。

さあっと降りだすと、雨粒はいちめん均等になっているようで、けっこうムラがある、砂浜で薄く重なる波に似ている。

すこしずつ角度をかえて入り乱れる雨の線、そして、ぱたっと止まる。

大粒が叩きつけると、視界はまっしろになって、解像度が粗くなるかんじだ。

 

テクネでやっていた、「雨音は水滴が物にあたる音の集積だ」という仮説を確かめる 映像。すばらしいなあ、とおもい、身近な雨音の由来をかんがえている。

 

蝉がよく鳴く季節になった。(こんな日はどこに隠れているんだろう。)

部屋にいると、じわじわじわ、とあちらで1匹、むこうで2匹、腹を震わせているのがきこえる。

その鳴き声を耳で追うのは、飛び石をわたっていく感覚に似ている。

 

実家だと、早朝からじゃんじゃんじゃんじゃんとものすごい。

窓を開けると、むっとした暑い空気と蝉の大合唱が、僕らこそが夏ですよととびこんでくる。

その鳴き声をどう喩えようか、よくかんがえる。

ちいさな蝉が合体して巨大な蝉になって、ダイダラボッチさながら迫ってくる!

いや、大量の蝉といっしょに乾燥機で回されている、というほうが、近いかもしれないな。

  

いちどだけ、蝉のぬけがらがついている狛犬に会ったことがある。

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む、よくみてみよう。

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かわいい! なんてかわいいんだ!

羽化なんてドラマチックなできごと、いったい、どんな気持ちで見守っていたろうか!

ここで羽化するのはうれしいけど、ちょっとかゆいな~、とかおもっていたりして。

それにしても、蝉ってこんな高いところまでのぼるもんなんだろうか。

 

※気になったので調べてみた。

 蝉のうち8~9割は1.5メートル以下の場所、かつ、ほとんどは足もとの高さで羽化するらしい。

 この蝉は、1.6メートルくらいはのぼったんじゃないだろうか。

 がんばったな、蝉くん!

 (数年前の画像なので、蝉くんはもうこの世にいない。わたしの声はとどかない。)

 

 

Pink Floyd:One Of These Days(1971)

台風というと、やっぱりこれを聴きたくなる。「吹けよ風、呼べよ嵐」という邦題は、けっこうすき。